「奥歯が1本くらい無くても大丈夫」
「痛くないから、しばらく放っておいてもいいかも」そんなふうに思われる方は少なくありません。しかし、歯を失ったまま放置すると、時間とともに大きなトラブルへ進行することがあります。
目次
❶ 噛み合わせが崩れる(隣の歯が倒れたり、噛み合う歯が伸びてくる)
歯はお互いが支え合うことで正しい位置を保っています。
そのため、1本でも欠けると……
- 隣の歯が倒れ込む
- 噛み合う反対側の歯が伸びてくる(挺出)
- 全体の噛み合わせがズレる
といった変化が起こります。
こうなると後から治療が複雑になったり、矯正が必要になることもあります。
❷ 顎の関節(顎関節症)の不調につながる
噛み合わせが変わると、顎の関節にも負担がかかりやすくなります。
結果として、
- 顎が痛い
- 口が開けにくい
- カクカク音がする
といった顎関節症の症状が起きやすくなることがあります。
❸ 残っている歯に負担が集中し、すり減り・破折のリスクが増える
歯が一本なくなると、その分の噛む力を他の歯が補うことになります。
結果として……
- 歯がすり減りやすい
- 歯根が割れやすい
- 詰め物・被せ物がよく取れる
など、ほかの健康な歯まで悪くしてしまう可能性があります。
❹ 見た目・発音に影響が出る
特に前歯を失った場合は、
- 見た目の変化
- すきっ歯による印象の悪化
- 空気が漏れて発音しづらい(サ行・タ行)
などの日常生活への影響も大きくなります。
❺ 食べにくくなることで、胃腸への負担や栄養バランスの乱れが起こることも
「片側だけで噛むクセ」がつくことで、
- 額関節に負担
- 筋肉バランスの乱れ
- 胃腸への負担
- 柔かい物ばかり選ぶようになり栄養が偏る
といった、全身の健康にまで影響が広がるケースもあります。
放置しないための治療の選択肢
歯を失った場合、代表的な治療法は次の3つです。
■ インプラント
自然な噛みごこちで、周りの歯を削らない。
■ ブリッジ
両隣の歯を支えにして固定式の人工歯を入れる。
■ 入れ歯(部分入れ歯)
周りの歯を大きく削らず作れる。
それぞれメリット・デメリットがあるため、お口の状態やライフスタイルに合わせて選ぶことが大切です。
📝 まとめ:痛みがなくても放置は危険!早めの受診を
歯を失ってもすぐに痛みが出ないため、放置されやすいのですが、
噛み合わせ・見た目・全身のバランスにまで影響する重大な問題へ発展する可能性があります。
もし歯を失ってしまったら、一度歯科医院でご相談ください。
適切な治療を行うことで、これ以上のトラブルを防ぎ、お口の健康を長く守ることができます。




