マウスピース矯正とは
マウスピース矯正とは、透明な樹脂製のマウスピース(アライナー)を使って、歯並びの乱れを治す方法です。装置の着脱は患者さん自身で行い、決められた間隔で新しいマウスピースへと交換していくことで出っ歯や受け口、乱ぐい歯といった悪い歯並びを改善できます。
こんな方におすすめです
- ギラギラとしたワイヤー矯正が嫌だ
- 周囲に気づかれずに歯並びを治療したい
- 矯正中も運動や楽器の演奏を継続したい
- 金属アレルギーがある
- 仕事の関係で矯正装置を外さなければならないタイミングがある
こうしたお悩み、ご要望がある方にはマウスピース矯正をおすすめできます。
マウスピース矯正で治せる歯並び
マウスピース矯正では、次のような症例に適応できます。
- 叢生(乱杭歯)
- 上顎前突(出っ歯)
- 下顎前突(受け口)
- 上下顎前突
- 開咬(オープンバイト)
- 交叉咬合
- 過蓋咬合(深い噛み合わせ)
- 切端咬合
- 空隙歯(すきっ歯)
- 正中の不一致
- 顎偏位(骨格性でないものに限る)
- 過剰歯
- 萌出遅延・埋伏
- 捻転歯
- 転位歯
- 歯の欠損 / 先天性欠如
- ガミースマイル
- 口ゴボ
マウスピース矯正の種類について
国内外の多くのメーカーが提供するマウスピース矯正システムの中から、当院では実績と治療効果に優れたシステムを厳選して提供しています。ここでは代表的なシステムをご紹介します。
インビザライン
アメリカのアライン・テクノロジー社が提供するインビザライン・システムは、マウスピース矯正のパイオニア的存在です。さまざまなパッケージが用意されており、患者様の症例や希望に合わせて最適な治療が可能です。また、抜歯が必要な症例にも対応しています。
インビザラインGO
インビザラインGOは、軽度の前歯の歯列不正に適しています。特に、噛み合わせに問題がない場合や、前歯から第一小臼歯までの歯列不正に有効です。短期間での治療が期待できるため、忙しい方にもおすすめです。
インビザライン・ファースト
インビザライン・ファーストは、10代の永久歯が生え揃う前のお子さんを対象とした矯正システムです。以前は混合歯列期のお子さんには選択肢が限られていましたが、インビザライン・ファーストにより、早期からの効果的な矯正が可能になりました。
マウスピース矯正は、それぞれのシステムに特徴があります。患者さんの症例やライフスタイルに合わせて最適なシステムを選ぶことが重要です。当院では、患者様一人ひとりに最適な治療法を提案し、健康で美しい歯並びを実現します。
マウスピース矯正のメリット
マウスピース矯正には、次のようなメリットがあります。
メリット
1.装置が目立たない | 透明な樹脂で作られたマウスピースは、従来法のマルチブラケット装置よりも目立ちません。 |
2.痛みが少ない | マウスピース矯正は、歯の移動に伴う痛みと、装置の刺激による痛みが少ない治療法です。 |
3.食事や歯磨きがしやすい | 食事と歯磨きの際にはマウスピースを取り外せるため、普段通りに食事が楽しめて、ケアもしやすいです。 |
4.金属アレルギーのリスクがない | マウスピース矯正では金属材料を使うことがないので、金属アレルギーのリスクもありません。 |
5.通院頻度が低い | 治療のスタート時点ですべての装置が完成しているインビザラインは、1~2ヵ月に1回程度の通院で歯並びの治療を進めていくことができます。 |
デメリット
1.適応範囲が比較的狭い | マウスピース矯正の適応範囲は、ワイヤー矯正よりも狭いです。軽度から中等度の歯並びに向いている矯正法です。 |
2.装置は自分で管理する必要がある | 矯正用マウスピースの装着時間や交換頻度、ケアなどは患者さん自身が管理する必要があります。 |
マウスピース矯正の流れ
診察・相談
当院では、30~60分と十分な時間を確保し、マウスピース矯正の経験豊富な歯科医師が診察を行います。患者さんの現在の歯並びのお悩みや治療に関するご希望、疑問点や心配事について、お気軽にご相談ください。
精密検査と資料収集
歯列矯正には正確な診断が不可欠です。パノラマX線写真やセファロ撮影を行い、必要に応じて歯型を採取して模型を作成します。また、虫歯や歯周病の状態も確認します。必要な治療がある場合、当院またはお近くの歯科医院での保険診療を受けることが可能です。
治療計画のご説明
収集した資料を基に診断し、患者さんの歯並びの状態や適したマウスピース矯正について、歯科医師がご説明します。治療方法や期間、費用に関する疑問があれば、遠慮なくご質問ください。
カスタムメイドのマウスピースの製作
治療計画にご納得いただいた後、資料データを基にマウスピース矯正メーカーでカスタムメイドのマウスピースを製作します。製作には通常2~6週間程度かかります。
矯正治療開始とマウスピースのお渡し
初回の治療では、マウスピースの着脱方法や管理について説明し、実際にマウスピースをお渡しします。症例やメーカーによっては、小さなボタン状のアタッチメントの装着や、歯と歯の接触面をわずかに削るディスキングを行うことがあります。
治療効果の確認とクリーニング
指示通りに毎日マウスピースを装着し、段階的に新しいものに交換していきます。定期的にご来院いただき、治療効果の確認や虫歯、歯周病のチェック、クリーニングを行います。必要に応じて再度歯型を採取することもあります。
治療完了と装置の除去
全てのマウスピースの装着が完了し、歯の移動が終わったら、噛み合わせの確認とクリーニングを行います。アタッチメントを装着していた場合は、これを除去します。治療効果が不十分な場合は、再度歯型を取り、治療の延長について相談します。
保定期間と定期健診
歯列矯正後は、歯の後戻りを防ぐために保定期間が必要です。この期間中は、就寝時にマウスピース型の装置を装着します。期間は半年から1~3年程度を想定してください。保定期間終了後も、後戻りがないか確認し、お口の健康を保つために定期健診にご来院いただきます。
スポーツ用マウスピースも作製可能です
スポーツ用マウスピースは歯科医院で作りましょう。当院でも作製可能です。
既製品のスポーツ用マウスガードは販売されていますが、患者様個人個人の歯との適合があまりよくないため、効果を十分に発揮しづらいというデメリットがあります。歯科医院で製作するマウスピースはオーダーメイドのため、患者様それぞれのお口の形態に応じて、しっかりと適合するマウスピースを作ることができます。
作製装着が義務化されているスポーツとしては、ラグビー、アメフト、格闘技が挙げられます。当院院長もボクシングを趣味としており自身のマウスピースを作製し装着しています。色もたくさん種類がありますのでご相談下さい。