根管治療とは

軽度の虫歯は、細菌に感染した歯質を削り、コンポジットレジンや詰め物で修復することで完治させることができますが、歯の神経まで進行した虫歯は、まったく異なる処置が必要となります。それが根管治療です。細菌に侵された神経を取り除き、根管という細い管を清掃する処置で、細菌のすべてを排除するまでには相応の時間がかかります。根管内の無菌化が達成されたら、薬剤を充填して土台を作り、被せ物を装着します。

根管治療の重要性について

管治療は、歯の保存を目的とする重要な治療法です。歯髄が感染したり炎症を起こしたりした場合、抜歯が必要になることがありますが、根管治療を行うことで歯を保存できる可能性が出てきます。

保険診療の根管治療の成功率は40%程度

根管治療を成功させるためには、最後まで正確にやり遂げることが重要です。治療が不完全であった場合、再感染のリスクが高まり、結果的に歯を失うことになるかもしれません。現在、日本の保険制度で行われる根管治療では、使用できる機材や薬剤が限られているため、成功率は約40%にとどまっています。これは、使用する材料や治療手順に制約があるためです。

そんな根管治療を成功させるためには、熟練した歯科医師による治療が不可欠です。経験豊富な歯科医師は、根管内の複雑な構造を把握し、最適な治療方法を選択することができます。患者自身も、治療の重要性を理解し、治療計画に従うことが大切です。

このように、根管治療は歯を保存するための重要な治療であり、精密な治療を受けることが成功の鍵となります。

ラバーダムとルーペを使用した精密根管治療

ラバーダムとは?

ラバーダムとは、治療する歯以外をゴム製のシートで覆う処置法です。治療中に患者さんの唾液が根管内へと侵入するリスクをゼロにできます。また、根管治療に使用する器具の誤飲や口腔粘膜を誤って傷つけてしまうリスクなども解消できます。

術者の視野も患歯だけに絞り込まれるため、一つひとつの処置に集中して取り組めるようになります。

歯科用ルーペとは?

歯科用ルーペとは、術者の視野を肉眼の数倍程度に拡大できる装置です。根管は、髪の毛ほどの細さしかなく、複雑な構造を呈していることから、肉眼での処置には限界があります。歯科用ルーペなら、ライトを接続して根管内を明るく照らすことができますし、拡大された視野によって精密な処置を施しやすくなります。

その結果、根管壁を傷つけたり、病変を取り残したりするリスクも減らせるのです。

こうした機材を活用して処置の精度を高めることができれば、根管治療の成功率も大きく向上します。

根管治療の流れ

精密検査・診断

お口の中の診査、歯の神経の検査、レントゲン撮影などを行って、患部の状態を正確に把握します。その上で診断を下し、根管治療の手順などを決めます。

抜髄

はじめに局所麻酔を施し、細菌に感染した神経を取り除きます。

根管拡大・形成

根管を拡大・形成しながら細菌の除去も進めていきます。根管への処置は、1回で完了しないことがほとんどです。毎回の処置が終わるたびに仮蓋を装着し、次の来院時まではその状態で過ごしていただきます。

根管充填

根管の無菌化が達成されたら、薬剤を充填します。根管充填が適切に行われたかどうかは、レントゲン撮影で確認します。

土台作り・被せ物の装着

コアと呼ばれる土台と作り、その上に被せ物を装着します。

経過観察・メンテナンス

治療後も定期的なメンテナンスを受けていただくことで、根管や被せ物の状態を正常に維持しやすくなります。

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